Samton、ケニアの現地NGOとサンブルDMRV PoCの実施基盤を整備
Serving Hands Societyと業務協約を締結し、レスルワ地域コミュニティの同意とPoC推進基盤を整えました。
Samtonは2026年6月27日から7月6日までケニアを訪問し、北部サンブル地域の電力アクセス改善とSamton-DMRVの現場実証に向けた協力基盤を構築しました。
今回の訪問でSamtonは、現地NGOのServing Hands Societyと業務協約を締結しました。両組織は、太陽光ミニグリッドとデジタル測定・報告・検証(DMRV)を組み合わせたPoCを推進し、地域住民と持続可能な運営体制をつくることで合意しました。

SamtonとServing Hands Societyの業務協約式
地域コミュニティとともに始めるPoC
Samtonが提案した事業は、ケニア北部サンブル郡の電力アクセス困難地域に太陽光ミニグリッドを構築し、発電量と電力使用データをSamton-DMRVで直接測定・検証する実証事業です。設備の設置だけで終わらず、現場で生成されるデータが炭素削減成果と炭素クレジット発行の根拠につながる全工程を検証することが目標です。
現地調査では、ナマイヤナ、キルタマニ、レスルワ、レラタAなどの候補地を、電力需要、用地、アクセス、通信環境、住民協力度で比較しました。その結果、約200世帯が暮らし、Safaricomの通信網を利用できるレスルワをPoC対象地に選定しました。
レスルワで直接確認した現場条件

ケニア北部サンブル郡レスルワの現場
レスルワは乾燥地に住宅と小規模施設が広く分散し、中央電力網の延伸が難しい地域です。現地調査を通じて、太陽光ミニグリッド設置候補地と周辺施設の位置、住民の生活動線、車両アクセス、通信環境を直接確認しました。
SamtonとServing Hands Societyは現地関係者とともに、PoC用地の範囲、電力需要、設備配置、将来の保守方法を協議しました。こうした現場情報は、太陽光設備の規模だけでなく、計測機器の設置場所、データ伝送方式、運用手順を設計する基礎資料となります。

レスルワの関係者とPoC用地および運用条件を確認する様子
特に乾燥してほこりの多い環境、施設間の距離、現場アクセスを考慮し、機器の耐久性と遠隔点検体制を準備する必要があります。通信が一時的に不安定な場合にも計測データが欠損しないよう、現地保存と再送信が可能な構造を適用する予定です。
信頼を基盤とした協力体制
Serving Hands Societyはサンブル地域で6年以上活動し、地域コミュニティとの信頼関係を築いてきたNGOです。今回の協力により、対象地住民との協議、需要調査、現場運用、事後管理まで、地域の声を全工程に反映できる基盤を整えました。
Samtonは地域コミュニティとの協議を経て、PoC用地の土地使用に関する同意を得ました。これは外部から技術を一方的に適用するのではなく、住民が事業の目的と運営方針を理解し参加できる関係を構築したという点で重要です。
信頼できるDMRVは、正確な技術だけでなく、データを生み出す現場と人々の同意・参加から始まります。
電力アクセスと炭素データへの信頼を同時に高める
PoC段階では太陽光ミニグリッドを通じ、50世帯、100人以上への電力供給を目標とします。同時に発電量と消費量を90日以上直接計測し、データの欠損・異常を検証して、炭素削減量算定とモニタリング報告書作成までを一つの流れでつなぐ予定です。
今後Samtonは現地協力機関とともに、受益世帯との協定、ベースライン調査、住民の自由意思による事前の十分な情報に基づく同意(FPIC)の手続きを具体化します。また、現地運用人材の教育とデータ収集体制を準備し、実証後もコミュニティが設備と運用能力を維持できる構造をつくります。
今回の協約と地域コミュニティの同意は、Samton-DMRVを実際の開発協力現場へ適用する第一歩です。Samtonはレスルワで蓄積する現場データと協力経験をもとに、電力アクセス改善と炭素金融を結ぶ検証可能なモデルを構築していきます。